3次元Navier-Stokes方程式の可解性について


概要

流体の運動を記述するNavier-Stokes方程式は, 未解決の問題を多く有している. 特に, 大域解の存在/非存在, 及びその漸近挙動に関する問題は, 多くの困難を有している.

本記事では, 3次元ユークリッド空間上における 非圧縮型のNavier-Stokes方程式の滑らかな大域解の非存在, 即ち, 滑らかな大域解が存在するならば, それはtrivialな解であることの証明を行う.


索引

1. 序論

2. 主定理

3. いくつかの定義

4. 証明

5. 関連記事


1. 序論

Euler方程式, 並びにNavier-Stokes方程式は, 2次元, または3次元空間における流体の運動を記述する方程式である. これらの方程式によって, 未知のベクトル場u(t,x)=(u_1, ... ,u_n)(t,x) ( n=2, or 3 ), 並びに未知の圧力p(t,x)を求めることが可能である. ここで, t≥0は時間を、x∈R^3 は空間上の点を表す。

Navier-Stokes方程式は, 圧縮流体の 非圧縮のNavier-Stokes方程式は, 次のように記述される:

∂u/∂t-νΔu+u⋅∇u+∇p=f ( x∈R^3 , t≥0 )
div u=0 ( x∈R^3 , t≥0 )

これを初期条件

u(0,x)=a(x)

のもとで解くことが可能かを本記事では取り扱う.

ここで, f=f(t,x)は, 流体にかかる外力を, ν≥0は流体の粘性を表す. この粘性を0にしたものがEuler方程式であるが, 本記事では詳しく取り扱わない. また, Δは空間方向のLaplacian

n
Σ ∂^2 u/∂x_j^2
j=1

を, ∇は空間方向のgradient

n
Σ ∂u/∂x_j
j=1

を表し, [A]nd now...


published in Apr. 1, 2002


追記

この文書は2002年のエイプリルフールのネタとして、 アヴァンタイトルの代わりに使われたものです。

おまけ:他サイトのエイプリルフール仕様のキャプチャ


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作:Nishino Tatami (ainosato@vc-net.ne.jp)